国を治める statesmanship 2003 4 17
子曰、「道之以政、斉之以刑、民免而無恥。道之以徳、斉之以礼、有恥且格。」 『論語』
先生が言われるには、
国民を導くのに、数々の政治的規制を用い、
国民を治めるに、刑罰をもって臨むならば、
国民は規制や刑罰を免れさえすればよいと考えて、悪いことをしても、心に恥じることはなくなる。
国民を導くのに、政治家の優れた人格による徳を用い、
国民を治めるに、道徳的規範として礼節を用いるならば、
国民は、悪事に対して、心に恥じることになり、自ずから国民は善に至ることができる。
「法律や刑罰による政治」と、「徳と礼節による政治」を比較し、後者こそ政治の基本であると述べた。
いくら規制や法律を作っても、政治家に「徳と礼節」がなければ、
国民は、うまく規制や法律を免れることばかり考えて、結局、これは、国全体のモラルの低下を招く。
政治家が自ら襟を正し、人格的な高潔さをもって、
さらに人格的な智慧をもって、国を治めれば、
国民は、政治家を鏡として、自らを律することとなり、国は治まる。
礼節を欠き、徳のない政治家の末路を歴史に学べ。
秦の始皇帝の最後を見よ。
最高のリーダーシップを発揮し、全国統一を成し遂げたにもかかわらず、
大帝国は皇帝の死後、何年、存在したのか。
智慧をもって国を治める。
礼節をもって国を治める。
徳をもって国を治める。
これを、徳による政治、徳治的民主主義という。
これが政治の王道である。